シンポジウムはまず松田学長の「科学・ものづくり教育推進に関する拠点づくり」の取り組みについての話から始まり、ついで今回のアンケート調査の責任者である理科教育講座の牛田から分厚い資料をもとに概略の説明がなされた。とくに、多忙化ゆえに理科室・準備室の整備に人も時間もない⇒教師の理科離れ を断つには、理科担当者に任せるのでなく、教員全員が夏休みにでも理科準備室の片づけをすること、『理科室のどこに何があるか読本』をつくることなどが提起された。消耗品の不足はどこも深刻で、実験に熱心な人ほど消耗品不足を訴えている、市によっては「入札制で安かろう悪かろう物品購入現象」が起こるが、購入は現場の判断に任せるべきこと。実験の苦手な教師に対して、夏休みを利用した実験講習会をとの声は23%、理科専任をふやすべきとの意見は42%にのぼった。ただ、理科専任教員を増やすことは児童にとっては良いが、実験の苦手な教師を増やすだけだという指摘もいくつかあること。「少なくとも、愛教大卒の者で理科嫌いの教員が出ないことを願います」という記述の重みは大きい。教材創庫につては小学校に準拠したものが少ないこと、現場は第二分野がそろってないのでそこの充実を求める意見がめだった。最後の小学校理科教育についての意見は傾聴に値するものがあふれ、中には7ページに及ぶものもあった。 |