
『ガドリニウムの語源・ガドリン石と化学者ガドリン』 |
ガドリニウムは熱中性子を最もよく吸収する元素です。熱中性子とは低い運動エネルギーを持った中性子で、原子炉の内部でウランと反応します。その時、核分裂が起こり、熱が発生します。この熱を利用したのが原子力発電です。ガドリニウムは、熱中性子を吸収することによって、核分裂を抑制します(原子炉を制御します)。MRI(磁力を使って身体の内部を撮影する装置)で得られる画像に、コントラストをつけて、診断の精度を上げるために、ガドリニウムが利用されています。ガドリニウムの語源はガドリン石です。フィンランドの化学者ガドリンはガドリン石からイットリウムを発見し、ランタノイドを探求する研究が始まりました。ガドリンの功績を称えるために、ガドリン石に因む元素名が採用されました。 |