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天文学とは

 天文学(てんもんがく)とは天体と宇宙を研究する学問です。大ざっぱな分類ですが、表1のように4つに分野に分けることが出来ます。位置天文学天体力学は伝統的な天文学です。天体物理学宇宙物理学は20世紀になってから飛躍的に研究が進んだ分野です。天文学は国内では地学の授業で教えられることが多いのですが、物理学と密接に関わっています。最近では、星間ガスや隕石などを化学的に研究する宇宙化学や、生命の起源の研究や地球外生命体の探索などを行う宇宙生物学なども、天文学の一分野として取り扱われる場合が増えています。この様に最近の天文学は様々な科学分野が複合した総合科学です。

表1 大まかな天文学の分類
 位置天文学(天体の位置を研究する天文学)  天体力学(天体の動きを研究する天文学)
 天体物理学(天体の状態や進化などを研究する天文学)  宇宙物理学(宇宙の構造や起源などを研究する天文学)

 天体や宇宙に関する知識が増えるに従い、天文学の研究対象が多様化しています。表2に研究対象に基づいた分類を掲載したので、御覧ください。また、研究のスタイルによって、天文学は理論天文学観測天文学に分類することが可能です。理論天文学とは物理法則と観測データを用いて、コンピューターによるシミュレーション計算よって研究を進める天文学です。観測天文学は観測に用いる媒体(電磁波の種類など)によって細分化されています。表3に主な分類をまとめたので、参照してください。

表2 研究対象に基づく天文学の分類
 宇宙論  銀河外天文学  銀河天文学
 恒星天文学  惑星科学  太陽天文学

表3 使用媒体に基づく観測天文学の分類
 電波天文学  赤外線天文学  光学天文学  紫外線天文学
 X線天文学  ガンマー線天文学  ニュートリノ天文学  宇宙線天文学

天文学の歴史
 科学技術の進歩と共に天文学の研究手法も進歩しています。それに伴い、天文学の研究の対象は広がっています。その様子を紹介しながら、天文学の歴史を振り返ってみましょう。
 最も古い天文学は位置天文学です。メソポタミアの遊牧民は家畜の餌となる草が生える時期を知るために星座を考案したと言われています。農耕が始まると、タネまきの時期を正確に知るために、エジプトなどの古代文明では天体の観測が行われていました。暦を知るために天体の位置を研究することが天文学の始まりと言えるでしょう。肉眼による最高の天文学者はティコ・ブラーエです。1分(1度の60分の1の角度)の精度で、月や惑星の位置を測定したと伝わっています。
 天文学の進歩に大きく貢献したのが望遠鏡の発明です。ガリレオは1609年にレンズを使った屈折望遠鏡を製作し、太陽の黒点、月のクレーター、木星の衛星を発見しました。天の川が無数の恒星で構成されていることを知りました。天体の性質を調べる研究(太陽天文学、惑星科学)も天文学の分野となりました。
 同じ頃、惑星の動きの観測結果から法則を発見したのがケプラーです。1609年に第1法則と第2法則、1618年に第3法則を発表しました。ケプラーの法則を基に、ニュートンは万有引力の法則を導き出しました。これは天文現象を力学的に取り扱う新しい天文学、天体力学の始まりです。
 ニュートンは凹面鏡で光を集める望遠鏡(反射望遠鏡)を1668年に発明しました。反射式望遠鏡は屈折望遠鏡のよりも筒を短くすることが容易です。凹面鏡を大きくしても光の損失が起こらないため、大型化することが出来ます。すばる望遠鏡など現在の大型望遠鏡も反射望遠鏡です。反射望遠鏡による最初の大きな成果はウィリアム・ハーシェルによる天王星の発見(1781年)だと言われています。太陽系の広さが2倍に拡大しました。また、ハーシェルは恒星の位置と明るさを精密に測定を行い、恒星の分布に偏りがあることを示しました。この観測結果より、恒星は集団で存在しているのではないかと考えました。この仮説は銀河の存在を予見したものであり、銀河天文学の始まりと言えます。
 19世紀になると写真技術が発明され、1840年頃、天文学の研究にも導入されました。これにより客観的な記録が可能になり、長時間露光により詳細に天体を観測することが出来るようになりました。19世紀の後半には光を波長に分けたスペクトルを調べる分光技術が開発され、20世紀になると天体の元素組成や動きなどが詳細に調べられるようになりました。ハッブルが1928年に発表した研究は天文学者に大きな衝撃を与えました。28個の銀河のスペクトルを分析したところ、遠い銀河ほど早いスペードで我々から遠ざかっていると言う内容でした。この結果は宇宙が膨張していることを示しており、宇宙全体の起源と進化を考える宇宙論の始まりでした。
 20世紀後半になると、可視光以外の電磁波による観測が開始され、天文学は大きく発展しました。電波を観測する電波望遠鏡により、可視光では観測できないが強力な電波を出している銀河やクエーサーが発見されました。かに星雲ではパルサーが発見されました。人工衛星を用いたX線の観測は、中性子星やブラックホールの研究に大きく貢献しています。また、ボイジャーなどの探査機による惑星の観測は詳細なデータを我々に提供し、惑星科学は飛躍的に進歩しました。


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